最終更新日:2022年10月28日

ボトックス療法

ボトックス療法は2000年に初めて海外で報告され、その高い有効性と安全性から欧米を中心に普及している治療法です。日本では2020年より保険適用となりました。

ボツリヌス毒素は、異常な収縮をきたす膀胱の筋肉を、柔らかく楽にしてあげる作用があります。 内服薬で治療効果をあまり感じられない場合は、ボトックス療法をご提案いたします。

こんな症状ありませんか?

  • 急にトイレに行きたくなる
  • 我慢できずに漏らしてしまう
  • 尿意で夜中に目が覚めてしまう
  • 頻繁にトイレに行く
  • 仕事中や外出中でもトイレが気になる

特徴

ボトックス療法は、ボツリヌス菌によって産生されるA型ボツリヌス毒素を直接膀胱内に注射します。 日帰りで受けていただける治療法です。

効果は2日目頃から表れますが、対症療法(症状を緩和する目的)ですので、効果持続期間を過ぎると効果が弱まります。1年に2回程度、注射をすることで効果が維持できます。

日本での臨床試験結果では、1回目の注射後2週目において、尿失禁の減少回数は平均3.24回、完全に尿失禁がなくなった方の割合は約20%、以前の回数から半分に減少した方の割合は約60%確認されました。

また、尿意切迫感の減少回数は、6週目で平均3.32回でした。排尿回数は6週目に1.78回減少しており、お薬による治療では、なかなか症状が改善できなかった方において、効果が期待できる治療法と示されています。

対象者

  • 3ヶ月以上、内服薬で治療しても尿失禁が改善されない
  • 2週間以上、内服薬で治療しても副作用のためお薬を減量あるいは中止した
  • 1日7回以上の頻尿や1日3回以上トイレに間に合わず失禁する症状があり、検査の結果で残尿量が100ml以下だった場合

治療方法・流れ

前もって治療のご相談を行い、注射予定日を決めていきます。

1:外来での注射前検査(採血、尿検査)説明と同意

診察内で膀胱炎などの尿路感染症がないかを含め、必要な検査を行います。

その後、ボトックス療法について具体的な説明、注射予定日の相談、注射日前日に内服いただく抗菌薬をお渡しします。

2:注射当日

朝食は取っていただいて結構です。
注射前に排尿検査がありますので、来院直前はおしっこをなるべく控えてください。

体調確認の診察をいたします。
医師が体調に問題なしと確認をしましたら、術衣にお着替えいただき、処置ベッドに移動していただきます。

はじめに膀胱の麻酔を行います。15分~20分ほどそのまま休み、内視鏡を膀胱内に挿入します。 細い注射針を用いて、膀胱の筋肉内に0.5mlずつ調整されたボトックス注射液を20か所に注入していきます。注射は10分~15分程で終わります。 注射が終わったら待合室にご移動いただき、30分~1時間程休んでいただきます。 この間におしっこをしていただき、血尿の有無、排尿状況に問題が無いことを確認いたします。おやすみいただいた後は、再度医師の診察を行い問題なければ帰宅します。 1~2週後に、経過確認のため一度来院いただきます。

3:1~2週間後の再診時

残尿測定を行います。 結果を見て問題なければ1ヶ月~3ヶ月毎の、患者さま希望のペースで来院いただき、経過を確認しています。 それ以外のタイミングでも、何かご心配がある場合は、来院いただけますようお願いします。

副作用・注意点

残尿量の増加、尿閉、尿路感染症がおこることがあります。

繰り返し注射を行うことで中和抗体が産生され、効果を得にくくなることがあります。

女性は投与後2回の月経を経るまで、男性は投与後3か月以上経過するまで避妊が必要です。

対症療法(症状を緩和する目的)ですので、効果持続期間を過ぎると効果が弱まります。

排尿困難、尿路感染症、尿閉があり、また、ごく稀に遠隔筋への影響、自律神経異常反射などがあります。

国内臨床試験では、尿が出しにくくなる排尿困難を起こした人は9%、尿路感染(尿中の白血球増加あり、症状は問わない)が5%、尿閉が5%(前立腺肥大症のある男性に多い)で見られています。

また、血尿が見られる場合もあります。

ボトックス療法は、難治性過活動膀胱の患者さまにとって、有用な治療として期待される治療方法です。

過活動膀胱によって生じる尿意切迫感、頻尿、切迫性尿失禁のように、生活の質(QOL)に影響する症状においては、患者さまご自身が感じる、治療への満足度が大事です。

どんな悩みでも、まずはご相談ください。

お話を伺ったのは・・・
五十嵐 敦 (いがらし  あつし ) 先生
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もんなか泌尿器科
泌尿器科

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