最終更新日:2021年8月4日

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)① 概論と症状

皆さんおなじみ、かつ目下猛威を奮っていて、社会問題にもなっている新型コロナウイルス感染症について説明します。

呼び名

呼び名は色々あり、時に混同してしまうと思いますので整理しておきますね。

ウイルスの名前は、SARS-CoV-2(Severe acute respiratory syndrome coronavirus 2)で、
病名が、COVID-19(Coronavirus Disease 2019)
一般的ななんとなく全体をふわっと呼ぶ呼び名が、新型コロナウイルス(新コロ?)などと呼ばれていますね。

このように時々違う表記があるのはそれぞれ厳密にウイルス名を指しているのか、病名を指しているのか、通称を指しているのかの違いからくるのですね。

各メディアで使われる場合にはどれも基本的には同じものを指していると考えていいでしょう。

コロナウイルスの種類

コロナウイルスは名前の通り新型コロナウイルスだけではありません。

複数種類が存在します。

今回の新型コロナウイルスはコロナウイルスとしては「7番目」のウイルスになります。

1番目~4番目は普通のありふれたウイルス、5番目が20年位まえに中国で猛威を奮ったSARSの原因ウイルスです。

6番目が、10年ほどまえに中東で流行したMERSの原因ウイルスで、今回の新型コロナウイルスは7番目のコロナウイルスの仲間になります。

一覧表にすると下の通りですね。

コロナウイルス
感染症
風邪 SARS
(重症呼吸器
症候群)
MERS
(中東呼吸器
症候群)
COVID-19
(新型コロナ
ウイルス
感染症)
原因ウイルス ヒトコロナウイルス(4種類) SARSコロナウイルス MERSコロナウイルス SARS-CoV-2
発生年 毎年 2002~2003年 2012年~ 2019年12月~
流行地域 世界中 中国広東省 アラビア半島 世界中に拡大
宿主動物 ヒト キクガシラ
コウモリ
ヒトコブラクダ 不明
感染者数 風邪の原因の10~15%を占める 8098人
(終息)
2494人
2020年1月31日現在
167,816,000人
2021年5月26日現在
致命率 極めて稀 9.4% 34.4% 1.0~2.0%弱
感染経路 咳等の飛沫・接触 咳等の飛沫・接触・便 咳等の飛沫・接触 咳等の飛沫・接触
感染力
(基本再生産数)
1人から多数 1人から2~5人
スーパースプレッダーから多数の感染事例有
1人から1人未満
スーパースプレッダーから多数の感染事例有
1人から2人前後
参照:IASR Vol. 42 p30-32: 2021年2月号
潜伏期間 2~4日 2~10日 2~14日 2日程度
感染症法 なし 2類感染症 2類感染症 指定感染症

症状と潜伏期間

従来株と最近話題の変異株で少し違いはあるものの、概ね以下のようになります。

  • 80%程度:発症してから1週間程度、風邪症状(せき・はな・のど・微熱)や味覚障害・嗅覚障害が出て治っていく。
  • 20%弱:1週間~10日ほどして肺炎症状(せき・たん・呼吸困難)などが悪化して入院加療が必要になるが、人口呼吸器などつけずに済み治っていく。
  • 5%弱:10日以降、重症化して人工呼吸器やECMO(人工肺とポンプを用いた体外循環回路による治療)のお世話になる。
  • 1~2%:死亡。

体調が悪い場合には行動に注意しましょう

潜伏期を含めた感染性がある期間は、発症の2日前から10日程度と言われています。

特に発症前後ではウイルス排出量が最大となります。無症状でも他人に移す可能性はあります。PCR検査の結果とは一致しない事もあります。

感染の可能性がある方(=体調が悪い方)は、不要不急の外出は避け、人と接する時にはマスクを着用し、なるべく1m以上(理想は2m以上)の距離を保ち、15分以上接しないように気をつけたり、三密に気を付けるなどの行動が大切です。

下痢との関連性

あくまで経験談ですが、変異株になってからは下痢の頻度が増えているように感じます。

ある方の報告だと、下痢しかなくてコロナのPCR検査をしたら陽性だったケースもあるそうです。

従来株の時からもそのような下痢を伴う事はそれなりにありましたが、最近では増えてきている印象なので、下痢だけでも上記の通りマスク着用などの感染予防策を取る事や不要不急の外出を避けるなど気を付けていくといいと思います。

重症化について

重症化しやすい要素は、

  • ①高齢
  • ②基礎疾患持ち

です。

基礎疾患

基礎疾患は、
慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性腎臓病、糖尿病、高血圧、心血管疾患、肥満、喫煙
などがあります。

妊婦さんもCOVID-19で明らかな根拠が確認されている訳ではありませんが、一般的に感染が重症化しやすい対象と言われているため注意が必要とされています。

年齢によって重症化しやすさは、30歳を基準とすると以下のようになります。

図:2021年4月現在、新型コロナウイルス感染症の”いま”に関する11の知識 厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/content/000749530.pdf

検査や治療に関してはまた詳しくお話します。

まとめ

まとめです。

  • 新型コロナウイルスはコロナウイルスの一種で7番目のコロナウイルスです。
  • 様々な呼び方はありますが、基本的には同じウイルスを指しています。
  • ほとんどの人が風邪症状(+α)で治りますが、重症化すると、肺炎に対して入院治療が必要になり、さらに重症化すると人工呼吸器やECMOなどの集中治療が必要になる事もあり、最悪死に至ります。
  • 重症化しやすくなる要素は、高齢と基礎疾患(COPD・慢性腎臓病・糖尿病・高血圧・心疾患・肥満・喫煙など)です。

記事を執筆いただいた医師

小野間 優介(おのま ゆうすけ)先生

小野間先生の公式サイトはこちら

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