最終更新日:2022年12月7日
妊娠初期超音波検査とコンバインドテスト
妊娠初期超音波検査
妊娠初期超音波検査は妊娠11週~13週の時期に行う詳細な超音波検査です。
まず、胎児の頭からお尻までの長さ(CRL)を計測して週数相当であることを確認すると同時に、解剖学的に大きな変化が胎児に認められ無いかどうかを診ていきます。
解剖学的な評価では、以下のような項目を一つ一つ診ていきます。
- 頭蓋骨が形成されているか
- 脳が右脳と左脳に分かれているか
- 皮膚にむくみが無いか
- 四肢が指先まで作られているか
- 心臓の向きやそれぞれの部屋が作られているか
- 心臓から出る大きな血管の流れに問題はないか
- お腹の壁や内臓がきちんと作られているか など
妊娠初期超音波検査を行う時期のCRLは45mmから84mm程度ですが、超音波機器の発達により詳細な解剖学的な所見を得ることが可能です。
しかし一方で、妊娠初期では確認することができない所見もあり、そのような知識を持った検査者が検査を実施し、説明をする必要があります。
妊娠初期胎児スクリーニングの動画
妊娠初期の胎児超音波検査で確認された構造学的な異常
最近の超音波機器の性能はとても高くなってきており、小さな胎児でもいろいろな構造学的な異常が検出されるようになってきました。
以下に妊娠初期でどのような構造異常が検出されうるのか、FMFからの論文(※)の結果を示しています。
ただし、この論文の結果は、妊娠初期の胎児超音波検査について適切なトレーニングをうけた検査者が、15分から30分、もしくはそれ以上の超音波検査を行なった場合であり、一般の妊婦健診で行われている超音波検査とは異なります。
100%近く検出された 構造学的な異常 |
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50%以上の頻度で検出された 構造学的異常 |
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50%未満の頻度で検出された 構造学的異常 |
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妊娠初期には 検出されなかったもの |
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コンバインドテスト
また、妊娠初期超音波検査を行う時期に染色体変化のスクリーニングを同時に行うことが可能で、コンバインドテストと言われています。
これは胎児の首の後ろのむくみ(NT)の厚さを超音波検査で計測し、さらに妊婦さんの採血検査で得られる血清マーカーの値を計測し、それを母体年齢から計算される一般的な確率に組み合わせることで、妊娠している胎児固有のリスクを計算する方法です。
この検査法は新型出生前診断(NIPT)と同様に確率的な検査で診断的な検査ではありません。
対象となる染色体変化に関してもでNIPTと同じ以下の項目になります。
- トリソミー13(パタオ症候群)
- トリソミー18(エドワード症候群)
- トリソミー21(ダウン症候群)
出生前診断としてのメリット
NIPTと比較すると精度(偽陽性率5%のとき感度90%程度)は劣りますが、NIPTと比較して安価であります。
また、検査時に超音波検査を行うことで、NIPTでは決して評価ができない解剖学的な変化を検出できる可能性のあることが、妊娠初期超音波検査とコンバインドテストをまず最初の出生前診断とするメリットであると考えます。
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