最終更新日:2013年10月23日
危険がいっぱい!子どもの肥満に注意を!
日本では肥満の占める人口の割合がこの20年で約2倍に増加しています。
女性は近年のダイエット志向があり、それほど目立ちませんが、男性や小児の肥満が急増中です。
私は校医をしていますが、1クラスに5~6名は肥満児が占め、我々が小学校の時代(約30年前)に比べ、増えている印象があります。
学童の肥満児の約3割は成人になっても肥満は解消されないとする報告もあり、生活全般の見直しなど注意が必要です。
ちなみに、肥満の人は高脂血症、高血圧、睡眠時無呼吸症、がん、糖尿病などの生活習慣病を併発する可能性が高く、小児期においてもこれらの合併が起こる可能性もあります。成人肥満への移行を防止するためにも、小児期の肥満者をその成長に影響を与えずに減量を勧めていくことも今後の課題となってくるでしょう。
日本人の肥満の傾向を調べてみると、極度の肥満者は欧米に比較して少ない特徴があります。
しかし、軽度の肥満であっても生活習慣病を併発しやすい特徴があるとされる説もあります。原因は民族共通の遺伝子的問題、さらに食生活の欧米化という環境要因が関与しているためだとも考えられているのです。
なお、現段階では肥満症の治療は食事、運動療法であり、将来は遺伝子診断および治療も期待されています。食事療法としては、カロリーを減らす減食が中心です。例えば、1日の摂取カロリーを男性1600kcal、女性1400kcalとし、栄養素の配分は蛋白質25%、脂肪15%、糖質60%として、これを続けることにより、体質改善を図ります。
その人の体質や課題に応じて、ビタミン、食物繊維、ミネラルも十分に摂取する必要もあり、具体的に指示をして総合的に健康になっていくことが重要。
肥満者の多くが、朝食抜きで夜に多く食べることが多いため、まずは3食規則正しく食べること、夜食・間食は控える、早食いはやめる、盛り付けを一人ずつにする、茶碗を小ぶりにする、など併せて行うと効果的。
これに加えて、1日15分程度の運動をプラスすること。ちょっとしたウォーキングやジョギングで充分です。大切なのは「続けること」なので、いつでもどこでもできる運動を選ぶとベター。
このふたつを3日続けるだけでも、かなり体が軽くなったと効果を実感するでしょう。それに気持ちも晴れやかになり、ストレスからの過食などの予防にもつながります。子どもが肥満の場合、親も一緒に同じメニューで取り組むと、家族全員が健康になるという「ごほうび」もありますので、ぜひトライしてみてください。
外科治療や薬物療法は、重度の肥満者に行われていますが、適応を医療機関で適切に判断されるべき治療法であり、軽度の肥満者に合うとはいえないものもあります。そのほかにもアロマセラピー、漢方治療、薬膳、アーユルヴェーダなどがあげられますが、食事・運動療法を補助する程度の役割に過ぎないでしょう。あくまでも大切なのは、規則正しい生活と運動です。
一時的に早く痩せることを狙うのではなく、持続的に痩せる体型を維持すること。これを続けると、健康のベースアップができ若々しくはつらつとした毎日を過ごせるはずです。
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