最終更新日:2024年5月23日
腎臓と眼の関係
慢性腎臓病(CKD)は、腎臓の働き(GFR)が健康な人の60%未満に低下する(GFRが60未満)か、血尿や蛋白尿が出るといった腎臓の異常が続く病気です。
慢性腎臓病の患者数は約1,330万人とされており、成人の約8人に1人は慢性腎臓病です。
慢性腎臓病が進行すると末期腎不全に至り、透析療法や腎移植が必要となります。
透析導入の原因となる病気の第1位は糖尿病、第2位は高血圧であり、透析にならないためには糖尿病と高血圧の治療が大切です。
糖尿病と高血圧では体中の臓器に合併症が起こり、腎臓や眼にもさまざまな障害が生じます。
糖尿病は放っておくと怖い病気
糖尿病の困った特徴は、診断された段階ではほぼ無症状で、治療への動機が持ちにくいことです。
またせっかく治療を開始しても、治療の成果を自覚できずに通院が途絶えてしまう人が多い病気です。
しかし放置すると、知らぬ間に糖尿病の合併症の一つである糖尿病網膜症により視力の低下が進んでしまい、失明を避けられない場合もあります。
そうなると、家事ができない、運転免許を更新できない、失業する、など生活に大きな影響を与えます。
また高血糖の状態が長く続くと腎臓も傷んでしまい、糖尿病性腎症となり、進行すると透析が必要となります。
透析を行っている患者さんの約40%は糖尿病といわれています。
「糖尿病かも」と思ったら、できるだけすぐに内科を受診し、糖尿病と診断された場合は、同時に眼科も受診するようにしましょう。
一生、仕事や運転免許を維持できる視力を維持するカギになります。
腎機能が悪いと言われた方や、蛋白尿を指摘された場合は腎臓内科へご相談下さい。
糖尿病と診断されたら、何よりも血糖コントロールをがんばることが大切です。
糖尿病の合併症を起こさない、悪くしないよう、しっかり治療していきましょう。
高血圧
高血圧により動脈硬化がおこると、脳出血や脳梗塞、心筋梗塞、腎不全などの原因となります。
しかし血圧が高くても自覚症状がないことも多く、健診の眼底検査で「眼底の血管にも高血圧の影響がでています」と、いわれた方もいると思います。
これは眼底の血管が、直接目で見ることのできる体内唯一の血管系であることから、眼底検査の結果が高血圧症などの診断や治療にも利用されているからなのです。
血圧が高くなると、高血圧性網膜症という、眼の網膜が障害をうけ出血や浮腫を生じる病気になります。
高血圧の治療が進歩したため、血圧の適正なコントロールでほぼ完全に治せるようになっており、内科を受診して治療をうけるようにしましょう。
「未来の私を救えるのは、今の私」 正しい治療を受けましょう
糖尿病や高血圧の治療は10年あるいは20年先のための治療と考えましょう。
10年先に今と同じように健康で元気に過ごしていることができるかどうかは、今日の治療にかかっています。
糖尿病や高血圧と診断された方は一刻も早く医療機関を受診しましょう。
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