突発性難聴Q&A
- 薬を続けても治らない難聴の症状。ほかに治療法はある?
- 1年前から突発性難聴で治療中です。医師に薬(メチコバール、ストミンA)を出してもらっていますが、高音の難聴と耳鳴りが治まりません。ほかに治療法はありますか。
このまま完治の見込みがなければ、治療をやめるのも選択肢のひとつでしょうか。(山形県 34歳 女性)
- 有効な薬や、薬以外の治療法もある
主治医と相談しながらいろいろ試みても - 突発性難聴はある日突然、難聴、耳鳴り、めまい等が起こってくる耳の病気です。原因はまだ完全に解明されてはいませんが、耳に続く血管が血流障害を起こすとの説と、音を感じる神経にウイルスが感染するとの説が有力で、毎年3万~4万人の患者さんが発症するといわれています。
治療は手術や処置ではなく、薬が主体になります。きちんと治療をすれば多くの方が改善を望める病気ですが、完治するか否かでいうと、いかに早く的確で十分な治療を受けられたか、また難聴などの障害がどの程度なのか、が大きく関与するといわれています。
どのくらいの時期が「早く」と考えられているかは、難聴や耳鳴りの症状が起こって1週間、遅くとも2週間以内が目安です。また、程度は障害が軽いものほど治りやすく、重いものほど治りにくいといわれています。
ご相談の患者さんの場合は、1年間治療をお受けになっても難聴と耳鳴りが残っているとのことですので、残念ながらまだ完治はしていないようです。早い時期の治療がポイントの病気ですので、これからの治療に関してはあまり大きな期待は持てないかもしれません。
しかし、改善の可能性がないわけではありません。病気の初期に服用するステロイドホルモン剤等の少し強めのものをはじめ、有効といわれている薬はいくつかあります。また、効果に個人差はありますが、薬以外にも星状神経節ブロック注射、鍼治療、一品圧酸素治療等の治療法もあります。
あきらめず、少しでも症状が軽減するよう、主治医の先生と相談しながら、納得いくまでいろいろな治療を試みるのも、決して悪いことではないと思います。
(笑顔 2013年9月号に掲載)