子宮頸がんワクチンについて

日本では今、子宮頸がんのために、毎日10人が亡くなり、毎日30人が子宮摘出手術を受けています。年間2万人が罹患し、多くの女性たちを苦しめている病気です。

検診で、早期発見(がんになる手前の前がん病変で発見)された場合でも、流産、早産のリスクが高まり、「いつかは子どもをもちたい」と願う女性たちの幸せな未来を奪ってしまう病気です。さらに、この病気にかからなければ、持てたかもしれない将来の新しい家族を失うことにもなります。

子宮頸がん予防ワクチンは、この病気の約7割を減らすことができます

子宮頸がんの治療は大変です。

子宮頸がん予防ワクチンは、この病気の約7割を未然に減らすことができるワクチンです。

厚生労働省の資料にもありますように、国と地方による公費助成開始から2013年6月14日までの接種勧奨差控えの約2年数か月の接種で、将来的に5,000人以上の命を救い、20,000人のがんを防ぐことになると推定されています。

子宮頸がん予防ワクチンの有効性と安全性について

子宮頸がん予防ワクチンの有効性と安全性については、世界的に認められています。

海外では、この地球上から子宮頸がんを消滅させることを目的として、ワクチン接種が粛々と進行しているなかで、接種がほぼ中止となっているわが国の現状はきわめて例外的です。

もし、このままだとすると十数年後には日本だけが子宮頸がん罹患率の高い国となることが懸念されます。

厚生労働省の副反応検討会で提出された国内外の資料は、科学的に解析されたものであり、専門家である参考人からは質の高い報告が行われました。

2014年1月20日の副反応検討会では、これらの科学的根拠が再確認され、このワクチンの安全性と効果が再度示されました。わが国のワクチン行政が科学的根拠に基づいて行われると信じており、子宮頸がん予防ワクチンの接種勧奨が一刻も早く再開されることを強く希望しています。

子宮頸がん予防ワクチンの副作用について

しかしながら、他の医薬品同様、安全性が確認されているワクチンにおいても、一部に副反応が起こることはみなさまもご存知のとおりです。

とくに、このワクチンの接種対象は将来のある多感な思春期女子です。思春期の女子はワクチンや注射に限らず、様々なきっかけで慢性痛をもち悩み苦しんでいることが、副反応検討会の資料でも明らかにされました。

副反応が起こった場合に、適切な診療につなげていくための早期に対処できるシステムを構築するとともに、適切な補償体制を設けて、思春期の子どもたちが安心して接種を受けられる環境を作り、思春期女子の心身の健康を保つための医療の充実が大事であると考えております。

「子宮頸がん」に関する正しい知識と、この病気がワクチンと検診で予防できることを知っていただき、日本中の女性たちが子宮頸がんから解放されるのを切に願う次第です。

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