まず1から2ヶ月は食事療法について勉強し、実践することが大事です。
特に、肥満のみとめられる方は、適正体重に近づかないと糖尿病の治療が始められません。
かなりの効果が見られる場合には、運動と食事だけでも血糖は著しく改善され、薬物療法は必要としない場合も多くあります。
しかしながら、糖尿病の治療をはじめようとする方にはじめからこんなことをいうのも何ですが、実は血糖のコントロールというものはとても難しいのです。
それに比べて血圧や高脂血症の治療は最近かなり簡単になってきました。
血圧や高脂血症の治療については、食事療法もかなりうまくいきます。
これら血圧、高脂血症の治療のためのくすりも多種類あっていずれもとても効果的です。
したがって、糖尿病といわれたらまず血圧と血中の脂肪のレベルをきっちりと理想的な状態を保つようにして下さい。具体的には、血圧は120/80以下位、血中の脂肪は悪玉コレステロールであるLDLコレステロールで100mg/dl以下です。
2型糖尿病というインスリン非依存型糖尿病患者さんについての指標が最近低下する傾向にあります。
50歳以上の中年から80歳前後の高齢者については次の4)にしめすようなコントロール目標を念頭に置くことが重要です。
例えば、東大の門脇先生の外来で食事療法単独や経口糖尿病薬で治療されているかたで空腹時血糖が120mg/dl未満にコントロールされている2型糖尿病患者さんの食後血糖を調べてみたそうです。
その結果、約半数のかたでは食後血糖値は200mg/dlを超えていたそうです。
高血糖自体がブドウ糖毒性によってインスリン分泌抑制やインスリン抵抗性をさらに増悪させうることから考えると、食後高血糖の持続的抑制は糖尿病治療の根幹であるといっても過言ではありません。
糖尿病のコントロールは ヘモグロビンエーワンシー(HBA1c)という指標が基準になります。
ほとんど正常に近いコントロールで、網膜、じん臓、神経の三大合併症の発症を防ぐことのできるレベルです。
ほぼこのレベルであれば、合併症の頻度も低いため、短期的には合併症の予防に有効なコントロール域とされています。空腹時血糖126、2時間値200という糖尿病の診断基準に近い値です。
動脈硬化といった血管合併症(脳硬塞、狭心症、心筋梗塞)が潜在的に進行していると考えられ、可及的に「ベストコントロール」にもっていく必要があります。
脱水などの急性合併症はないが、三大合併症が潜在的に進行していると考えられます。
脱水なども伴いやすく、治療を見直し、合併症の検査なども必要です。また、同時に患者指導を十分に行うことが必要です。
ヘモグロビンエーワンシー(HbA1c)は主に採血2ヶ月前より採血時までの平均血糖応答をあらわしています。
HBA1cの数値の半分はおそらく夜間血糖値を反映し、残りの半分は日中3食の食後血糖応用状況を反映していることでしょう。
糖尿病の合併症とHbA1cの関係を次表に示します。
HbA1cの数値を1%下げれば、糖尿病の合併症は35%減少するとされています。
0.5%の低下ならば約20%程度の原書を期待することが出来るわけです。
実際の生活の中で、糖尿病の治療を続けていくことで、HbA1cの低下を持続させることができればきわめて有意義です。
アルツハイマー病は50歳頃に脳内に病変がはじまり、72歳頃に周りの人におかしいときづかれます。
リピトール(脂溶性スタチン;脳に入るスタチン)でアルツハイマー病が予防できます。
50歳以下で治療開始すると有効で、70歳以降で治療を開始しても効果はありません。
糖負荷試験で血糖が高くなるとアルツハイマー病になるリスクが高くなります。
糖負荷試験2時間値140mg/dl以上で3倍、200mg/dl以上で4倍になります。
食事療法、運動療法、薬物療法を50歳以下から始める必要があります。
血圧治療にARB(血圧降下剤)を使用することで認知症が予防できます。
Copyright © 町田駅徒歩1分の佐藤寿一クリニック All Rights Reserved.