花粉症の舌下免疫療法について

当院での舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)の治療開始は花粉が飛び終わった頃、6月からになります。

アレルゲン免疫療法について

アレルゲン免疫療法は花粉症の治療法のひとつで、アレルギーの原因となっているアレルゲンを少量から身体に投与することで、少しずつアレルゲンに身体を慣らし、アレルギー症状を和らげたり、日常生活に与えたり影響を改善するなどの効果が期待されます。

これまでのスギ花粉症に対するアレルゲン免疫療法は皮下に注射する「皮下免疫療法」だけでしたが、最近では、アレルゲン免疫療法の研究が進み、舌の下に治療薬を滴下する「舌下免疫療法(ぜっかめんえきりょうほう)」が登場しました。

舌下免疫療法とは

アレルゲン免疫療法のひとつである舌下免疫療法は、舌の下に治療薬を投与するため、注射などの痛みなく自宅で服用できます。

舌下免疫療法では、原因となるアレルゲンを用いて治療を行うため、治療を行う前に、原因となるアレルギーを確定する確定診断が必要となります。

また、治療には一定量のアレルゲンを長期間(3〜4年)投与し続けるため、長く続けていく必要があります。

スギ花粉症の舌下免疫療法

服用期間

1日1回、少量から服用をはじめ、2週間は徐々に増量し、その後は決まった量を数年にわたり継続して服用します。

初めての服用は、スギ花粉が飛散していない時期に、医師の監督のもと行う必要があります。
少なくとも1ヶ月に1度の受診が望ましいです。

服用方法

治療薬を舌の下に滴下し、2分間保持したあと、飲み込みます。
その後5分間はうがい・飲食を控えます。
スギ花粉が飛んでいない時期も含め、毎日服用します。

服用時に避けること

服用する前後2時間程度は、激しい運動、アルコール摂取、入浴などは避けるようにしてください。

効果を発現するメカニズム

効果が出るメカニズムは十分には解明されていません。舌の下から入ったアレルゲン(スギ花粉)が体内で反応し、アレルギー反応を抑制する免疫反応がおこることで症状が抑えられると考えられています。

舌下免疫療法をご希望されるスギ花粉症患者さんは、ぜひご相談ください。
なお、受診前に次の内容をご確認ください。

治療を受ける前の心構え

  • スギ花粉が飛散していない時期も含め、治療に長期間かかる
  • 治療薬の服用(舌の下に2分間保持)を毎日継続する
  • 少なくとも1ヶ月に1度受診する
  • すべての患者さんに効果が出るわけではない
  • 効果があって終了した場合でも、その後効果が弱くなる可能性がある
  • アナフィラキシーなどの副作用が起こるおそれがある

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