健康診断の法律による規定について
(法定健康診断)

労働安全衛生法の健康管理義務規定では、企業は常時使用する全ての従業員に対して、雇入時と毎年1回医師による定期健康診断を実施しなければならないと規定しています。

法定健康診断を行うにあたって注意すべき点を、雇入れ時健康診断、定期健康診断それぞれに分けて説明します。

雇入時の健康診断(労働安全衛生法66条1項、同規則43条)

労働安全衛生規則43条では、雇入時の健康診断の実施を義務付けています。
しかし、3ヶ月以内に健康診断を受けていた場合には、その受診項目を省略することが出来ます。
「3ヶ月以内」の他にも、幾つかの要件によって省略できる項目もあります。

法律で定められている受診項目については、雇用時健康診断のページをご覧ください。

法律で定められている健康診断の対象者について

労働安全衛生法上の健康診断は、「常時使用する労働者」に対して実施しなければならないとされています。この法律でいう「常時使用する労働者」とは、次の2つの要件を満たす者とされています。

  1. 期間の定めのない契約により使用される労働者。なお、期間の定めのある契約により使用される労働者の場合は、更新により1年以上使用されることが予定されている者、及び更新により1年以上使用されている者。
  2. その者の1週間の労働時間数が当該事業場において同種の業務に従事する通常の労働者の1週間の所定労働時間数の4分の3以上であること。

1.について、前半の「期間の定めのない労働者」とはいわゆる正社員をさします。後半の「期間の定めのある労働者」とは主に契約社員や嘱託社員、パート社員などを指します。

2.については、例えばパート勤務のアルバイトでも、正社員の1週間の所定労働時間数の4分の3以上の場合であれば、健康診断の対象となります。なお、この点については「所定労働時間数の2分の1以上である者に対しても実施することが望ましい」とされています。

定期健康診断(労働安全衛生法66条1項、同規則44条)

企業は常時使用する全ての従業員に対して、毎年1回医師による定期健康診断を実施しなければなりません。また、パートタイマーやアルバイトであっても、継続1年以上雇用する場合は定期健康診断を行なう必要があります。

また、定期的に健康診断を行うだけでなく、情報を管理する義務も企業側にはあります。
健康診断の受診結果は、個人情報保護の観点のもとで、それぞれの労働者ごとに「健康診断個人票」を作成し、事業所に5年間保存しなければなりません。

なお、常時50人以上使用する事業所の場合は、健康診断実施結果を労働基準監督署に届出る義務があります。

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