最終更新日:2014年2月12日
貧血……それは鉄欠乏症という重い病気のサイン
貧血というと、女性や妊婦さんに多い症状で、「いつものことでしょ」と軽く考えてしまう人がいますが、実は重大な病気が隠されている場合もあるのです。
健康診断などで、貧血を発見されるときの多くのケースは、体の中の鉄分が減少しておこる「鉄欠乏性貧血」と呼ばれるもの。
この貧血の特徴は赤血球が小さくなり、検査の値ではMCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球血色素量)のふたつの値が小さくなり、「貧血気味だから鉄分が多い食事を心がけて」などとアドバイスされるもの。
ちなみに、体内の鉄は、カラダの隅々まで酸素を運ぶ大切な働きをする「ヘモグロビン」の構成要素。とても重要な物質なので、血液内に多く存在するだけでなく、肝臓、脾臓や骨髄内にもストックされています。
その総量は体内に存在する鉄分は40-50 mg/kgほど。大切ゆえに1日に排泄される鉄分は1mg程度で、食事から吸収される量も1 mg程度。体からの出入りが少ないのが特徴です。
ではどのようなときに、体外に鉄は流失するのかというと、一般的にはけがなどによる出血。これがないかぎりは、鉄欠乏性貧血には基本的にはならないのです。ちょっとホッとしましたね。
しかし、毎月生理のある女性の場合、生理による出血にともなって血液中の鉄分も失われがち。ですから、男性に比べて女性は貧血になりやすいのですが、野菜、肉、魚などバランスのとれた食事をとっているのなら、それほど症状はひどくならないと考えられています。
女性の場合、鉄欠乏症性貧血が重要視されたら「子宮筋腫」が疑われます。これは筋肉でできている子宮壁に瘤のような筋腫ができること。これがあると生理の出血量が増えますので、鉄を取るように意識した生活をしていても、鉄欠乏性貧血になることが多いのです。
男性の場合、あるいは閉経を迎えた女性が鉄欠乏性貧血と診断された場合は、消化管の出血が隠れている場合が多いのです。胃、十二指腸に潰瘍や腫瘍が存在しないか、大腸に癌が存在しないか、十分検査する必要があります。また検査成績で貧血とならないまでも、先に述べたMCV、MCHのみが低下している場合もありますので、気になる人は検査データを持って、消化器内科などを受診してください。
思わぬ病気を見つけるのは、自分の体の状態をいつも気使うこと。「ただの貧血でしょ」とスル―せずに、専門医に受診をしてください。
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