最終更新日:2023年9月29日

喘鳴と気管支喘息

喘鳴とは

「喘鳴(ぜんめい)」というのは、空気が通る道である気管支が狭くなってしまい、息をしてそこを通る空気の速度があがるために、音がでるものです。

たんが多くなって気道が狭くなった場合は、ゼロゼロ、ゴロゴロという音も聞こえることがあります。

呼吸に伴うこのような音は、必ず治療が必要とも限りません。

赤ちゃんの場合、産まれて間も無くから半年、1年くらいで自然に治ってしまう先天性喘鳴というものもありますので、ゼロゼロ、ゴロゴロしている以外に症状がなく、機嫌よくしているなら治療は不要です。

気管支喘息とは

一方、せきとともに喘鳴がおこり、呼吸がつらくなることがあります。

このような症状を起こす病気に「気管支喘息」があります。

気管支喘息になると、せきをしてぜいぜいするほか、息を「吐くときに」特徴的なヒューヒューという音が聞こえます。

呼吸は苦しげで、空気が十分取り込まれていない感じで窒息しそうに見えます。

本人もそう感じて息苦しくなります。

気管支喘息の症状は夜にせきと喘鳴、息苦しさとして起きることが多いのですが、夜にせきをした=気管支喘息とも限りません。

気管支喘息は慢性的な病気で、発作が繰り返し起こらなければ気管支喘息という診断にはなりません。

また、2歳未満の小さい子どもでは、RSウイルスなどある種のウイルスによっても、同じようなせきと喘鳴がおきることがあります。

きちんと受診して診察を受け、正しく診断してもらうことが大切です。

気管支喘息について

症状

せきやたんが出やすくなり、息苦しくなります。

また胸が圧迫されているような感じもしますし、のどの不快感も伴います。

発作を起こしているときの気管支はとても敏感で、少しの刺激でもゼーゼー、ヒューヒューして、呼吸がつらい状態になってしまいます。

喘息発作の症状は軽いものから重いものまで程度が様々で、風邪をきっかけとして症状がでてくることもあります。

横になって眠れているか、日中なら食事は取れているか、会話はいつも通りか、普段通り遊んだりできているかに注意してみてください。

原因

肺に空気を送る気管支がけいれんして細くなってしまうことが原因です。

そしてけいれんをもたらす理由として、具体的には次のようなものがあります。

アレルゲン

ダニなどの微生物、ハウスダスト、ペットの毛などは、吸い込んだ時にアレルギー炎症を起こします。

これらは生活環境の整備が大切になっていますので、こまめに掃除をすることが重要です。

感染症

かぜをひいてしまうことでも、気管支には刺激が加わります。

ウイルスによって気管支が炎症を起こすと、それをきっかけに発作を起こしてせきが出ます。

運動

「運動誘発喘息」という、運動時に乾いた冷たい空気が軌道に入ることで喘息発作を起こすこともあります。

空気が乾燥していて、気温が低い日には運動によって発作を起こしてしまうことが多いので注意が必要です。

環境

季節の変わり目での激しい気温差や、大量に飛散する花粉、またたばこの煙などの大気汚染物質も気管支を刺激する要因です。

小さなお子さんのまわりではタバコを吸うことは控えてあげましょう。

治療

気管支喘息の治療でもっとも有効なのは、まず「原因になるものを避ける」ことです。

繰り返し発作を起こす経験をしていくと、発作の引き金が、風邪、ホコリ、動物などのうち、どれが原因になるかがだんだんわかってきます。

それを知って遠ざけるようにすることで、発作を起こしにくくすることができます。

また、薬でコントロールすることも有効です。

気管支喘息の治療としては大きく2つの種類の薬があります。

一つは、発作が出ないようにする治療薬、もう一つが、発作が出た際に症状を和らげる治療薬です。

発作を抑える薬

発作が起きないように予防する薬としては、気管支の炎症を抑える抗炎症薬や吸入ステロイド薬を処方します。

症状の強さによっていくつかの種類がありますが、日々発作を予防するため、症状がないときでも長期にわたって治療していきます。

かかりつけ医に通って管理をしていくことが大切になります。

症状を和らげる薬

こちらは発作が起きてしまった際に、息苦しさの原因になっている狭くなった気管支を広げるためのお薬です。

気管支を広げるためには、吸入薬、内服薬、または貼付剤(貼り薬)があります。

症状は楽になるのですが、気管支喘息を根本的に治すお薬ではないことをしっかり意識しましょう。

発作はおさまるでしょうが、喘息発作が起きやすい状態は残っているので、そもそも発作を起こさない体質にしていくために、かかりつけの先生と相談しながら長期管理の薬をきちんと続けていくことが大切です。

気管支喘息というのは、小さな子どもの場合、風邪のせきとの区別がわかりにくく、対応が難しく感じられる場合があること、また元気な時でも予防のためにお薬を飲む必要があるなど、時間をかけて向き合っていく病気ですので、かかりつけ医から十分な説明を聞き、相談しながら一緒に管理をしていきましょう。

もっとも、気管支喘息は成長につれて自然に治っていくことも多いので、あまり心配しすぎないようにしましょう。

お話を伺ったのは・・・
平野 有加 (ひらの  ゆか ) 先生
ドクターのクリニック詳細情報
ひらの小児科クリニック
小児科、アレルギー科、小児皮膚科

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