最終更新日:2023年6月22日
不思議の国のアリス症候群
あまり知られていない疾患名かもしれません。
この疾患は、作家でもあり「不思議の国のアリス」の著者であるルイス・キャロルが、自らが体験したことを主人公のアリスのエピソードとして書き記したのではないかと考えた、イギリスの精神科医ジョン・トッドにより1955年に命名されました。
症状
小児期に一過性に起こることが多く主症状は幻覚(幻視)で、周りの物が突然大きく見えたり、小さく見えたり、歪んで見えたり、色が異なって見えたり、現実とは異なるものの見え方をしたりするのが特徴となります。
成人期に起こることもあります。
原因
小児型はEBウイルスの感染による脳の炎症が原因であるともいわれます。
成人型では、片頭痛の合併が高頻度に見受けられます。
また、てんかん、統合失調症、ウイルス脳炎による報告や、うつ病の初期の症状としての報告、向精神薬の副作用でも見受けられるようです。
小児期のものは一過性であることが多く、過剰な心配は要らないようです。
自閉症スペクトラム障害やてんかん発作などを持つお子様で、この疾患のような幻覚が出ている場合は担当医にも相談しましょう。
成人期では、治療は原疾患と精神療法になります。
眼科でできること
眼科医が出来ることは、眼球に器質的病変や機能障害が無いことの確認となります。
この疾患の症状はかなり特殊なため、体験を周囲に話さないお子様も多いようです。
また話したとしても親御様が夢か冗談であろうと真面目に受け止めることが少なく、眼科受診となるケースは心因性視力障害に比べるとかなり稀になります。
お子様がこのような不思議な体験を語った場合は、原疾患があるかないかの確認と、同時に眼球に異常の無いことを眼科で確認しておくことをおすすめします。
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