最終更新日:2021年12月10日

こどものスギ花粉症 ~スギ花粉症は治るのか?~

花粉症イメージ

花粉症の患者さんの人数

年々増えてきているスギ花粉症の罹患者数は全国的に大きな差がみられ、少ない地域では2%(北海道)、多い地域ではなんと半数近くの45%の方がスギ花粉症を患っています。

全国平均では26.5%となり、東京は平均を上回り32%となっております。

おそらく皆様の周りでもスギ花粉症の方は少なくないでしょう。

こどもの花粉症の患者数は年齢があがるごとに増えてきます

10歳以降になると、大人の罹患率と差はありません。(0~4歳以下:1%、5歳~9歳以下:14%、10歳~19歳以下31.4%:20歳~29歳以下:31.3%)2歳以下の患者は極めてまれですが、3歳代になると発症をしはじめます。

こどもの症状は?

花粉症の典型的な症状はくしゃみ、鼻汁、鼻閉(鼻詰まり)です。

重症な方に多くみられる随伴症状として倦怠感や、易疲労感、思考・記憶力低下があり、大なり小なり日常生活に支障をきたすことがあります。

花粉飛散のシーズンは2月半ばから4月終わりまでがピークであり、この時期に症状が出る場合は花粉症である可能性が高いといえます。


自分で訴えることが難しいお子さまにみられる気づきの症状としては、まず「お鼻」に注目をして頂き、「鼻こすり」「よく鼻を拭いている」「鼻ほじり」がないか、次に「呼吸」に注目して頂き「いびきがではじめた」がないかをみてください。

鼻閉がある場合、口を半開きにした呼吸をすることがあります。眼のこすりを同時に伴う場合は花粉症の確率があがります。

また他のアレルギー疾患、特に喘息を有するお子さまに高率に合併してきます。(喘息の80%に鼻炎が合併)

くしゃみ、鼻水、鼻閉で気づいた方も多いかもしれませんが、風邪の症状と同じです。

アレルギー検査

発症の初年度は気づきにくいかもしれません。

飛散シーズンに風邪がなかなか治らないなと思ったら、当院では血液でのアレルギー検査(保険適用)を行っておりますので、お気軽にお問合せください。

治療はしたほうがいいの?

花粉症の症状の重症度に応じて治療が異なります。(下記の図参照)

最重症から軽症までありますが、一番の大事なことはお子さまの日常生活に支障が生じているか?です。

その場合は早急に対応しましょう。

くしゃみ、擤鼻(いわゆる「鼻かみ」です。使用ティシュペーパー回数に置き換えてよいと思います。)が6回以上ある、口呼吸がある場合は中等症となります。

症状の重い方は花粉飛散予測日前より治療を行うこともあります。

種類\重症度 ++++ +++ ++
くしゃみ発作 21回以上 11~20回 6~10回 1~5回 +未満
鼻汁(1日平均擤鼻回数) 21回以上 11~20回 6~10回 1~5回 +未満
鼻閉 1日中完全につまっている 1日のうち口呼吸がかなり時間があり 1日のうち口呼吸がときどきあり 口呼吸はないが鼻閉がある +未満
日常生活支障度 全くできない 手につかないほど苦しい (+++)と(+)の中間 あまり差し支えない +未満

花粉症の治療 ~花粉症は治るのか?~

残念ながら基本的に自然に治る方はまれです。数%とも言われます。

老年期になると症状は軽快します。女性の方は妊娠期に悪化する場合もあります。


お子さまの症状や生活スタイルに合わせた内服薬、点鼻薬、点眼薬を処方いたします。

ドラッグストアなどですぐに買える市販の薬は手軽で便利ですが、花粉症は長期間薬を使用することが多いので、クリニックで薬を処方してもらった方が、費用の面でも安くなることが多いです。


また、現在花粉症には様々な治療薬がありますが、治癒に期待されている治療方法に免疫療法があります。

軽症~最重症まですべての方に行える治療です。

シーズン中の症状軽減効果(70%ともいわれています)に加え、特に小児領域では「治癒」が望まれている治療法です。

また鼻炎の20~30%のものに喘息が発症してきますが、それを抑える効果が報告されております。

治療期間は3~5年と長いですが、花粉症を引きずる長い人生からみれば短いとも言えます。

治療の開始時期は、花粉症が発症していない時期に行うため6~11月頃に開始します。

当院では5歳からこの治療が可能です。当院では舌下免疫療法(保険適用)を行っておりますので、ご相談ください。

舌下免疫療法の流れ

舌の下に徐放錠を入れ溶けるのを待ちます。

1分もしないうちに溶け切ります。

お薬を使用した際にアレルギー症状を起こすことがあるので、治療開始時、お薬増量時はクリニック内で30分間の経過観察を行います。

スギ花粉の回避策

最後にスギ花粉の回避策として、下記の点に注意して日常生活を送るようにしてみてください。

  • ①花粉情報に注意
  • ②飛散が多いときのふとん・洗濯物の外干しを避ける
  • ③外出の際のマスク・メガネ
  • ④表面の毛羽立った上着は避ける(花粉が残留しやすくなるため)
  • ⑤帰宅時に衣服・髪を払って入り、洗顔・うがい・鼻かみをする
  • ⑥換気は短時間に済ませる(コロナ禍だと難しいかもしれません。)
  • ⑦掃除を励行する。特に窓際が重要(花粉が付着しやすいため)

コラム掲載元

東陽町はぐくみファミリークリニック コラム掲載ページ

お話を伺ったのは・・・
千葉 幸英 (ちば  ゆきひで ) 先生
ドクターのクリニック詳細情報
東陽町はぐくみファミリークリニック
小児科、アレルギー科

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