最終更新日:2021年2月17日
絨毛検査について
絨毛は、将来胎盤となる部分の一部の事です。絨毛を採取して検査するのが絨毛検査です。
絨毛検査は確定検査になる為、コンバインド検査やNIPTのような確率を計算する検査ではなく、胎児の状態を診察するための検査になります。
検査時期
妊娠11~14週となります。
絨毛検査の方法
腹部エコーガイド下に、胎盤の位置を確認します。
局所麻酔を行い、エコー(超音波)で胎児を見ながら細い針を穿刺(せんし)し、絨毛組織を採取します。
絨毛検査後の合併症
絨毛検査後の流産リスクは、検査方法によって異なります。
一般的には、約100人に1人(1%)と言われていますが、最近の報告では熟練している医師による手技では0.22%程度であったと報告されています。
また、絨毛羊水炎や破水、羊水過少、早期破水、早産が生じる可能性があります。
絨毛検査で確認できる項目
染色体分析にはいくつかの方法がありますが、最も多く実施されているものはG分染法と呼ばれています。
G分染法では、羊水中の赤ちゃんの細胞が検査の対象となりますが、細胞数が少ないため、培養して細胞の数を増やします。
細胞が十分に増えた時点で、染色体の形態的特徴が識別できる時期の細胞を選び、染色体を染色液で染めます。
そして、顕微鏡下にて染色体を観察します。
G分染法は、染色体の数の変化や構造の変化などを調べることができ、 診断的検査と位置づけられています。
絨毛検査で確認できない項目
G分染法では、小さな構造異常(微笑欠失など)はわからないことがあります。
さらに、遺伝子レベルの違いについても検出することはできません。
また、赤ちゃんの染色体の核型と胎盤の染色体の核型とが異なる場合があります。
この場合、絨毛検査では胎盤の核型は分かりますが、赤ちゃんの核型を正確に知る為には羊水検査が必要になります。
染色体異常は赤ちゃんが持って生まれてくる病気の4分の1程度でしかなく、全ての病気についてわかるわけではありません。
また、染色体異常を持っている場合でも、合併症などには個人差がありますが、それらについても評価することはできません。
絨毛検査の流れ
事前の体調確認
お母さんの発熱などの体調に特に問題がないことを確認し、検査を開始します。
エコーによる確認
エコーで胎盤の位置を確認して、穿刺部位を確認します。
絨毛組織の採取
消毒をして、再度エコーを見ながら針を進めていき、胎盤内に穿刺できたことを確認して、陰圧をかけ絨毛組織を一部採取します。
穿刺針を抜去し検査は終了です。
回復、再度のエコー検査
暫く休んでいただき、特に気になる症状がなければ再度、エコーで赤ちゃんや胎盤の様子を観察して帰宅となります。
検査結果について
検査結果はおよそ2週間程度でわかります。来院していただき、説明をします。
稀に、絨毛細胞が十分に増えず分析ができず、結果を報告できない場合があります。
絨毛検査と羊水検査との比較
羊水検査の実施は妊娠15週頃からですが、絨毛検査は妊娠11週から13週で実施することが可能な為、スクリーニングでハイリスクの結果が出た場合比較的待たずに検査を受けることができ、この点が絨毛検査の利点と言えます。
絨毛検査は胎盤の組織を採取する為、胎盤の細胞と赤ちゃんの細胞の染色体核型が同じであれば問題ありません。
しかし、胎盤と赤ちゃんの染色体核型が異なる場合があります。
これは、胎盤モザイクと言われ、絨毛検査の結果は胎児の染色体を反映していないことになり、絨毛検査の結果は赤ちゃんの予後を示すものでは無いことになります。
その場合は、羊水検査で胎児の染色体を評価する必要があります。
染色体異常の種類によっては特に注意すべき場合もあり、超音波検査の所見も踏まえた上で、どちらの診断的検査を受けるかを決めることになります。
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