植野院長のひとり言

溶連菌感染症ってどんな病気なの?


最近、急な発熱のどの痛み(咽頭痛)で来院し、「溶連菌感染症」と診断される患者さんが増えています。

溶連菌とは、「血性鎖球」の略で、この細菌を顕微鏡で見たときに数珠のように連なって見えたことからこの名前がつきました。

溶連菌は主にA群とB群に分かれています。
このうちB群は新生児に感染すると危険ですが、生後6ヶ月以上の子供に発症することは稀ですので、今回はA群溶連菌感染症のについてお話します。

発症年齢は4歳から9歳の幼児から学童低学年の子供が多く、症状は高熱のどの痛みが主なもので、口をあけると真っ赤になった喉とイチゴの表面のようなをみとめることが特徴です。
発疹は鮮紅色の粟粒大の発疹で口周囲にはあまりみられません。

溶連菌感染症は抗生剤(抗生物質)が普及していない昔は、「猩紅熱(しょうこうねつ)」という法定伝染病に指定されていましたが、医学が進歩した現在においては、伝染病として届けられることはまれで、「溶連菌感染症」の病名で取り扱われることが多くなっています。

最近ではこの溶連菌を診断するための迅速診断キットが発売され、以前では診断に2〜3日かかった検査が10分程度で診断できるようになりました。
この検査はのどを綿棒でぬぐうので子供には不愉快な検査ですが、溶連菌か否かを知ることで治療方針が大きく変わりますので、疑わしい場合は早めに行うことが重要です。

溶連菌感染症の治療ペニシリン系の抗生剤が非常によく効き、投与後1〜2日で症状がなくなることがほとんどです。

ただし、確実に除菌を行わないと急性糸球体腎炎という突然の血尿や高血圧をみとめる腎臓病をおこします。
そのため通常の薬の投薬期間よりもかなり長い、10日間抗生剤投与が必要となります。(たとえ症状がなくなったとしても投薬を続けます。)
また発症後3週間頃に腎炎が発症することが多いため、この時期に1度検尿を行い、腎炎になっていないかを確認します。

怖い病気ですが、溶連菌は空気感染ではないのでインフルエンザほどの強力な伝染力はありません。

しかし、学校や幼稚園の教室など濃厚な接触がおこりやすい環境では感染する可能性が高いので、溶連菌感染の話を聞いたらいつもより増して手洗いとうがいをしっかりと行うように言ってください。

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