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鉄欠乏性貧血のお話情報公開日:2006 年 5 月 2 日
一般的に健康診断などで発見される貧血の大部分は体の中の鉄が減少しておこる鉄欠乏性貧血と呼ばれる貧血です。この貧血の特徴は赤血球が小さくなることで、検査の値ではMCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球血色素量)の値が小さくなってきます。体内の鉄はヘモグロビンの構成要素として血液内に多く存在しますが、肝臓、脾臓や骨髄内にも貯蔵されています。体内に存在する鉄分は40-50 mg/kgですが、1日に排泄される鉄分は1 mg程度で、食事から吸収される量も1 mg程度と非常に少なく、体からの出入りが少ないのが特徴です。したがって一般的には出血などで体外に失われない限り鉄欠乏性貧血にはなりません。
生理のある女性の場合、生理による出血にともなって血液中の鉄分も失われます(約1 mg/ml)。そのため鉄欠乏になりやすく、さらに鉄分の少ない食事をとっている場合は容易に貧血となってしまいます。また子宮筋腫が存在しますと生理による出血量が増えますので、ちゃんと食費をとっていてもひどい鉄欠乏性貧血になることが多いのです。従って生理のある鉄欠乏性貧血の患者さんは婦人科で子宮筋腫の有無を確認してもらうことが、大事です。
生理が終わった女性、あるいは男性で鉄欠乏性貧血と診断された場合は、要注意です。このような場合、消化管の出血が隠れている場合が多いのです。したがって胃、十二指腸に潰瘍や腫瘍が存在しないか、大腸に癌が存在しないか、十分検査する必要があります。また検査成績で貧血とならないまでも、先に述べたMCV, MCHのみが低下している場合もありますので、検査データの解釈に注意が必要です。